先日、同い年なのに、僕よりもよっぽどしっかりしていて、
素晴らしい作品を造り出す焼き物の作家、加藤一郎君と会って話す機会があった。
その時にこんな話をした。

人はこの世の中で沢山の辛いものや汚いものを見て生きて行く。
けれど、もの作りを仕事とする僕達は、そんな世の中で美しいものを見て造り続ける
ことが仕事だ。
だから、弱く儚い美しさを見つけ紡ぎ出すために、当の本人はタフで強くなければい
けない。
俗や欲とは懸け離れた「美しい」ものを見つけ出す為に貪欲になる。
まるで真逆のようだが、ものを造るということはそう言う事なのだと思う。
だからもっと強くならなければいけない。

今年ももう終わります。

絵に対して貪欲な僕は、自分が絵を描いていくために、
今年も本当に沢山の方々のご厚意に助けられて来たのだと心から感じます。

僕が絵を描いていける力を下さる小島さん、
僕の目を守っていて下さる出田先生、
遠くパリの展覧会に、日本から駆け付けて下さった徹さん美代子さん、
会う度に新鮮なアイディアや制作意欲の鍵を下さる渡辺さん、
家族のように優しく迎えて下さる定爾さん、志津子さん、
そして神戸のお父さんお母さんである、雅夫さん澄恵さん、
九州の素晴らしさを教えて下さった合原さんファミリー、
照れ屋だけどいつも優しい波磨さん。

そして、僕の絵を見守っていて下さる沢山の皆様、
今年も沢山の方々のお力添えや温かいお言葉に支えられて、
生き抜く事ができました。

本当に本当にありがとうございました。
心よりお礼申し上げます。

来年はもっと頑張ります。
厳しいお批判をどうぞ宜しくお願い致します。

また、皆様にとっても、来年2009年が良い年になりますようにと、
心よりお祈りいたして居ります。

 

神津善之介