今年で私は人生の半分をスペインで過ごした事となる。
日本では震災という大変な出来事が起き、また私にとっては初めての子供が生まれたこともあり、あらためてもう一度、自分自身のことや自分が歩いてきた絵の道を振り返ってみた。
光と影の国スペインに暮らす私は、今までいろいろと絵のスタイルは変わったが、共通していた事は、19年間ずっとキャンバスの中に光りを求めていたということだ。
生後7ヶ月になる息子も、窓の外や電球など、なぜか光を探して見ている。
今の私はまだ微かな光しか描けない。
でもいつの日かスペインの朝陽の様な輝きを絵の中に描けるようになりたいと強く思っている。

朝がくれば必ずまた太陽は昇る。
私たちはその有り難さを知っている。
だから、沈む夕日を見たって泣かずにいられるのだ。
朝露は知っている。
長い夜の間に溜まった希望が朝陽に照らされることを。
雄鶏はもう鳴いた。朝が始まる。前に進もう。

AMANECER
タイトル「AMANECER : 雄鶏はもう鳴いた(Mont Saint-Michel)」
サイズ:54×81cm