ヨーロッパの5月6月は本当に美しい。
絵に描こうたって、とても描けないほどに美しい。
だから絵なんて描いていないで、
その場に立って、この日差しを、この花の匂いを、
体で感じた方がよっぽど幸せだろう。
そんなことは充分承知で、私はこの庭に訪れキャンバスを立てる。
この幸せな空間の何十分の一かでも、私は白いキャンバスに溶け込ませたいのだ。
花一つ一つなんて描いていては、とても間に合わない。
頬を撫でる風も、強く優しい光も、むせ返る花の匂いも、鳥の歌も、
全部このキャンバスに封じ込めたいのだ。
そんなことが無理なことくらい、私は知っているのに...。
タイトル:夏の始まり: rosaleda del retiro no.1
サイズ:24×35cm
タイトル:静かな午後: rosaleda del retiro no.2
サイズ:22×33cm
タイトル:初夏の匂い: rosaleda del retiro no.3
サイズ:24×41cm