タイトル:Resonancia no.22
サイズ:41 x 30 cm

 

マドリードの街ではクリスマスのイルミネーションの飾りつけが始まりました。
ただ、ヨーロッパの電気代の大高騰は恐ろしく、例年よりも随分と細やかな感じになりそうです。
そんなわけで、外に出て初めて時の経過に気づき驚きました!もう冬です!!
大変ご無沙汰してしまい、申し訳ありません。

お礼が遅れてしまいましたが、帝国ホテル地下での絵の展示にも、お運びくださった方々が沢山いらっしゃったと、画廊の人間から聞きました。
誠に有難うございます。

さて、11歳の息子は昨日始まったサッカーワールドカップのことで頭は一杯ですし、私は来年始の個展に向けて全集中して描いてますので、家の中は若干殺気立っております。笑

そんな訳で、来年1月11日(水)から15日(日)に青山の画廊、ギャラリー5610での個展を開催をご報告いたします。

今年になって気が付けば、スペインに渡り30年が過ぎ、画家としてデビューして25年が経ちました。
前回の節目だった5年前はスペイン大使館で個展を開催いたしましたが、今年はその記念として、年始に作曲家である父との共作を展示しようと思います。

今までは私にとって父という存在は尊敬の対象でありながらも、自分のプライドとして絶対に仕事として関わったり、頼ったりしたくない存在でした。
そんな父も92歳となり、どれくらいの残された時間が私たち親子に残っているのかと考えた時、私は父との共作を残したいと、強く思うようになりました。
ただし、父はもうそんなに現役で作曲はしていないので、昔の父が(今の私よりも若い時に)書き残した楽譜を貰い受け、そこに私が絵を塗り重ねました。

40代だった父が手書きで書いた楽譜は、仕事(映画や演奏会)で自身が使ったもので、小さな音符でぎっしりと埋まっています。
その何ページものスコアを私は1ページずつ切り取りながら、その上に着画しました。

19歳で日本を出た私にとって、私の記憶の父はとても厳格な人でした。
幼い私が父のスタジオの床に敷きしめた楽譜を踏まないように跨ぐようなことをしようならば、それだけでも頭を叩かれていたような記憶もあります。
なので、最初はこの父の楽譜の上に絵を描くという愚かな行為自体に随分と気後れしましたが、それよりも自分の中に沸き起こる共作への気持ちの方がよっぽど勝り、今回私は絵を描き進めました。

そのスコアは父自身がオーケストラでの演奏時に自分で理解する、指揮者のための楽譜なので、一つ一つにタイトルなどの記載もありません。
なので、私も楽譜上のメロディーや、タイトルと言うものは、敢えて無視して描きました。

画家として純粋に、音符という記号の羅列の美しさを視覚的に活かし、その画面と私の絵との共存、もしくは共鳴できるものを描く!という思いで描きました。
なので、絵のタイトルは全て「Resonancia (共振、共鳴のスペイン語)」にしました。私自身としましては、デビューして25周年の節目となる作品だと思って居ります。

是非とも、1月11日からの個展に、お運びくださいませ。

そして、頑張れ!!サッカー日本代表!!! Vamooos!!!!!!!!!

神津 善之介 拝

ギャラリー>新作 更新しました 2022/11/23