神津 善之介 公式サイト

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tenerife 夕日とオレンジのボール
サイズ:100 x 150 cm

や緑にあふれ、スペインはとても美しい季節に入った。
こんな季節はいつもならスケッチ旅行に繰り出すのだが、
今年は制作に追われてアトリエに籠りっきりだ。

アトリエには基本だれも入らせない。
それは息子とて同様で、用がない限り彼はアトリエには入れない。
私が使っている揮発性融剤が身体や頭に大きく影響するので、私としては息子をあまり入れたくない。
けれど、私の居ない隙に息子は勝手に入っているようだ。

私も幼い頃、絵を描いていた祖母の部屋が大好きだったので、きっと同じような感じだろうか。
私は特に油絵の具の匂いが好きだった。
今じゃ毎日その油絵の具にまみれているので、麻痺してしまったのかほとんど匂いを感じない。

絵描きによってはあえて自分のアトリエに人を招き入れて営業する人も居るが、
大抵の絵描きは自分のアトリエに人を入れるのは好きではないだろう。
鶴が主人を入れずに機を織ったように一人もくもくと作業するのだ。
私は自分の描き方に何も秘密がないので、アトリエの中をいろいろと見られても別に構わないが、
人によっては描き方にその人なりの企業秘密があり、絶対に見られたくないと言う人もいる。
私の最初の師匠のリャドさんは、メインのアトリエとは別に誰も入れない部屋が一つあったし、
藤田嗣治はあの陶磁器のような白を作る部屋があり、そこには誰も入れなかったと何かで読んだことがある。
フランシス ベーコンのアトリエも写真で見る限り、とても人を入れられるような部屋ではない。

私はいろいろなテクニックを使うが、人に聞かれたら大抵はその方法や技術を説明する。
決まったレシピーがある訳ではないし、技術的なことを真似しても私の絵は描けないと思っている。
もっと感覚的なことだったり、経験的なことが大事だと思うからだ。
だからアトリエに人が入っても構わないが、それでもやはり好きではない。落ち着かないのだ。

そんな私にもこれは秘密と言うか、あえて人には言わない方が良いだろうと言うことは幾つかある。
それは、私や他の絵描きに限らず、ものを作る人にはみな、何かしら大小の内緒事はあるものだ。
だから私はその事については話さない!...のだが、息子が誰にでも、なぁーんでも話すのだ。

「お父さんてね、暖かくなってくるとパンツ一丁で絵を描いてるんだよ!」とか、
「お父さんてね、使い古したパンツや靴下で絵を擦ったり拭いたりしてるんだよ!」とか、
「お父さんてね、チェッカーズって言う人や中森明菜って言う人の歌を歌いながら絵を描いてんだよ。
しかも音痴なのに大声なの!」とか....。
挙げ句の果てには「お父さんてね、お母さんに内緒でハゲ防止の薬使ってんだよ!」まで....。

言わなくて良いことをゼェーーンブ話すのだ!! まさか身内に敵のスパイがいるとは...。
私の個展会場で、もし息子を見かけても、どうか絶対にいろいろ質問しないでください。

                               神津 善之介


ギャラリー>新作 更新しました 2016/11/18


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