地中海の太陽に照らされ続けながら遊び倒し、
肌も体もボロボロだ。
マドリードの生活では、絵を描くことが生活の主であり、
アトリエから出て一息つくと一日が終わっているという有様で、
ついついこのホームページの更新も滞ってしまいがちになる。
故に子供と遊ぶのもついつい先延ばしにしてしまうので、
かねてより妻子からのクレーク案件になっていた
「子供とめちゃくちゃに遊ぶ」という課題を果たすため、
マヨルカに行ってきた。
またもう一つの用件はマヨルカの友に子供ができ、
「そのお祝いに絵を渡すから!」と豪語しておきながら、
随分と時が経ち、その娘も11歳になったらしく
(と言うことは11年ほったらかしたと言うこと!)
いい加減、向こうは絵のことを忘れているかも知れないが、
こっちはそれがずっと引っかかっていて、今更ながら、
それを渡しにいくというのも旅の理由の一つであった。
それが上の絵「インディラの肖像2016」だ。
今まで私にさんざん世話をかけられたその友が、
この絵を喜んでくれたので、
私としては小さな恩返しができ一安心というところである。
で、あとは息子と遊び倒すと言う案件が残っていたわけだが。
マヨルカは私が19歳から暮らした言わば第2の故郷で、
マヨルカの友と言うものは本当の兄弟や幼なじみのように、
深い絆で繋がっている。
彼らは私同様にどうしようもなく駄目人間なのだが、
私と違い、もの凄く心がピュアな素晴らしい人たちなのだ。
乗馬の先生だったり、船乗りだったり、絵描きだったり。
もう四十に手が届くような奴らだが、
頭はまだうちの息子と変わらない感じなので、
私が遊ぶ隙間が無いくらいに彼らが息子と遊んでくれた。
息子にとってはもの凄く密度の濃い1週間だったろう。
自分の子供のようにうちの息子と遊んでくれる彼らを見ていると、
つくづくスペインは子煩悩国だなぁーと思う。
うちの息子も彼らと親友になったようだ。
(つーか父さんの友達だから!)
太陽を反射する波打ち際を逆光にし、
私は息子と遊ぶ彼らのシルエットをぼーっと眺めていた。
彼らも私と同様で成功している人間ではないし、
全く裕福な人間でもない。
また、彼らなりの苦労や葛藤だって沢山あるのだろう。
だが島から出た私とは大きく違い、
この太陽がいっぱいの島で、
毎日を心底楽しく生きているように見える彼らが、
私にはキラキラととても羨ましく映った。
そんな思いに耽り、目を細める私の横で嫁が、
「ほら!!あんたも行く!」と焼けた背中を強く叩いた。
(私)「ひぃぃいー」
とまぁ、楽しかった夏休みはもう終わり、
これからは気温40度の火炎地獄のようなマドリードで、
11月22日からの福岡三越、
12月1日からの青山プロモアルテの個展に向けた
制作活動に打ち込むことになる。
どうぞ、皆様も楽しい夏を!
神津善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2016/2/14