冬が終わり、春が来たような感じだ。
というか、この冬はあまり冬っぽくもなかった。
これはスペインに限らず、世界的なことなのだろうか?
散歩すると公園にはアーモンドの花が満開だし、
花屋にも色とりどりの花が沢山咲き乱れている。
先日、やっと体調も戻り、家族でポルトガルのポルトに行ってきた。
ポルトという街は寂れていながらもとても雰囲気があり、絵になる街だった。
この街には僕が好きだった昔の「不便なスペイン」の空気がまだ残っていた。
また、街の建物の色使いやタイル、落書きに高い色彩センスを感じた。
建造物の造形レベルはマドリードの方が上だが、
色彩センスはポルトの方が上だと思った。
ただ、このポルトもまた、外資からの開発が盛んなようで、
どんどんと新しく綺麗になっているらしい。
そうなると面白くない街なるのも時間の問題かもしれない。
料理に関しては、スペインのすぐ隣の国なのに、
スペインと違って、塩がきつくなくて優しい味だった。
旅行中、ご飯時と日中は家族と過ごすのだが、
早朝や日没時は写真を撮ったりスケッチしたり、一人の時間も多い。
初めての国を早朝にそぞろ歩くのはとても楽しい。
次に描く絵の構想をいろいろと頭の中で練りながら、
それに合わせるよな感じの構図で街を眺めていく。
もしくは街の持っている空気感によって次に描く絵の構図が変わってくる。
その場所に吹く風や遠くの車や川の音、また鳥や牛の鳴き声を聞いたり、
お気に入りの音楽を聴きながら景色を眺める。
この時間が私にとっては至福の時間だ。
音楽と言えば、この旅は車移動で行ったのだが、
車内ではspotifyと言う音楽アプリで、
家族それぞれの好きな曲を流しながら行った。
なにせマドリードからポルトは急いでも5時間以上はかかるのだ。
息子は息子で、自分のお気に入りのベストミックスがあり、
マドリードの現地校に通う彼の趣味はおもいっきりラテンで、
スペインで流行っている私の知らないサルサっぽい歌謡曲が流れる。
たまに私の影響を受けた、ジャミロクワイやマイケルジャクソン、
スティービーワンダーなんかも流れる。
それらを聞きながら、ついこの前生まれたはずの息子が、
自分のお気に入りのミックスを持っていることに感慨深い気持ちになる。
私も昔、家族との車旅行の時は、
カセットテープのベスト盤を持参して、むりやり家族に聞かせていた。
そんなことを思い出していると、息子に頭を叩かれ、
「この曲が凄くイイから、ちゃんと聞いて!!」と注意される。
そんな所まで父親に似るとはねぇ・・・。
神津善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2019/2/8