タイトル:静寂と朝陽とバラ
サイズ:46 x 55 cm

 

気が付けばもう5月が終わる。
来月6月の神戸個展の絵を描いていたらあっという間で、
個展に向けた帰国予定日もあと2週間ほどとなった。

絵のスイッチが入り、アトリエにこもると2ヶ月なんてあっという間に過ぎる。
同じ姿勢で絵を描き続けるので、先日はまたぎっくり腰をやってしまった。
どうも癖になっているようだ。というか、もう年なのだろう。
いつの間にか、ジジイになった自分が居る。

腰の痛みに四つん這いでアトリエから這い出ると、
子供はえらく成長しているし、嫁は目が吊り上がっているし。
2ヶ月父親が何もしないとそうなるようだ・・・。

時間経過が尋常ではなく速い。

ちょうど今、近所の公園のバラがピークで、
今月の表紙の絵はそのバラ園だ。

美しさに負けて、ついつい私はこのバラ園を描いてしまうが、
絵というものは本来描き上がった世界こそが美しくあるべきで、
テーマが既に美しいと言うことは、少しズルをしているような気がしてしまう。

とは言え、私の絵のテーマとなる対象物はもともと美しいものばかりであり、
私が美しいと思うから、絵にする訳なので、
この問答には矛盾が生じる。

ピカソみたいに白いキャンバスの中に何かを見いだせると良いのだが、
悲しいかな、私にその才能はない。

でもそろそろ新しいスタイルの絵を見つけ出したいと思っている。
が、そう思いながらもう2、3年が経つ。

時間経過が尋常ではなく速い。

公園のバラのピークが終わるとマドリードに夏が来る。
マドリードの夏は暑い。ほぼ、砂漠だ。
暑さに負けて、私がパンツ一丁で絵を描く日も近い。

時間経過は尋常でなく速いのだ。

神津善之介 拝

ギャラリー>新作 更新しました 2019/5/28