2023年9月4日

皆さん、大変ご無沙汰しております。
この夏は世界的にとても厳しい猛暑でしたね！
皆様はお元気でお過ごしですか？

今週のマドリードには突然、秋の訪れを感じさせるような豪雨や朝晩の肌寒さがやってきました。

8月の頭くらいには、私が暮らすマドリードの、家の向かいにある日当たりの良いバス停に設置された温度計で47度を記録してました。
そんなものすごい猛暑でしたが、今はスペイン全土が豪雨に見舞われ、自然からの厳しい洗礼を受けております。

初夏の伊勢丹での個展は、大変有り難いことに皆様のおかげで大成功で幕を閉じました。
その分次の個展に出品する絵が足りなくなってしまい、この夏は猛暑の中ずっとアトリエに篭りっきりで絵の制作活動に明け暮れておりました。
私は至って元気でしたが、ずっと絵筆を持っていたので、このページの更新も儘ならぬ状態で、皆様にはご心配をおかけしてしまいすみませんでした。

11月1日からは池袋でリビエラアートフェアという催し物に参加させて頂き、
22日からは福岡三越で個展を開催する運びとなり、その両方のための絵を必死で描き溜めておりました。
まともな夏休みも取れず、息子は怒るかな？と思っていたのですが、絵描きの息子は12歳にもなると親の仕事をよく分かっているようで、文句も言わずサッカーボールを蹴っていました。
逆に息子がそういう感じだと、余計に申し訳ない気持ちになってしまうものですね。

そんな訳で夏の最後に短い夏休みとしてマヨルカ島に行ってきました。
２０２６年にマヨルカで開催される私の個展の打ち合わせも兼ねての旅行です。

私にとっては、１９９２年から６年ほど暮らした島なので、久しぶりの里帰り旅でもあります。

個展を開催する財団との打ち合わせを終えてから、古い友たちとも会えて、お互いの近況報告もできました。
そして夏の終わりの海では、日差しも緩んでいたので、息子と思う存分に遊べました。

そして、最終日に自分が暮らしたパルマの街を歩いてみると、街が随分と様変わりしていることに驚かされました。

私が昔暮らしていた築１５０年以上のオンボロアパートの一階は、ボロボロでいつでも銀行強盗ができそうな地方銀行でしたが、今では高級ブランドのカルティエに変わっていました。
また日曜日に何度も絵のスケッチをしていた寂れた商店街の小道はオシャレなファッションストリートになっていました。
遠くから見るとあまり変わってないなと思ったのですが、近づいてみると店構えや通りの感じはえらく高級でオシャレな街に変わっていました。
なんだか、私の知っているマヨルカではなくなってしまったようで、少し寂しい思いです。

唯一、貧乏画学生で通い詰めた安い定食屋が残っていましたが、やはりリノベーションされて昔よりはオシャレになっていました。

日本はもともと都市開発が盛んな国なので、すぐに街の風景が変わってしまうことに慣れている私ですが、
スペインの田舎はそんなに建物の外観が変わることがないので、いつまでも昔の思い出が残っているだろうと鷹を括っていたら、最近の変化に自分の思い出が色褪せていくような気持ちになり、旅の最後で少しノスタルジックでおセンチになってしまいました。

短いながらもマヨルカで良い休暇を過ごせたので、マドリードに戻ってからの私は絵に超集中モードです。
息子もサッカーの新しいクラブチームに入ったので、お互いにこの一年でどれだけ成長できるか？！といった競争になります。

秋が深まる頃にまた皆様とお会いできますことを心より楽しみにしております。

神津善之介　拝

＊ギャラリー＞新作　更新しました　2022/12/26