ベニスのマルコポーロ空港から中心地(旧市街)までは、
水上タクシーで向かうのですが、
タクシーは干潟の様な浅瀬の海の中を進んでいきます。
海の上にガードレールの様な杭がぽつんぽつんと立っています。

その日は寒い冬で、海に霧の様なものがたちこめていたので、
道標となる杭が朧げに見えるような感じでした。

その時、私は目に映る風景と自分の気持ちとが重なったのです。
その風景にある種の啓示を受けたのです。

絵の色合いで暗いテーマの絵と思われそうですが、
私にとっては、朧げに、微かに見える杭こそが、
悩みの向こうに存在するはずの希望に見えました。
だから、それを描きたかったのです。

VENEZIA 啓示 no.2

タイトル:VENEZIA 啓示 no.2
サイズ:81 x 81 cm