ご無沙汰しております。
日本も少しずつ感染者数が増えてきたと聞きました。
皆様はいかがお過ごしですか?
こちらマドリードの感染者数は一向に減りはしませんが、
ここ数日は安定していて、大きな増加傾向はありません。
ただ、マドリード以外の地域はまた感染者が増えていて、
マヨルカの絵描きの友人が陽性で入院したり、
その親御さんがコロナで亡くなったというニュースを聞くと、
この脅威が自分たちのすぐ近くに在るのだということを肌で感じます。
そんな悲しいニュースの中でも、
私たち絵描きは光を求め描き続けています。
画法やスタイル、そしてテーマは違えど、
絵描きは皆、暗闇の中に光を探しているのだと思います。
私の場合は自分が描きたいテーマと、
絵の中で追い求めている光とが、
同軸上にあると思っていますので、観て下さる方々にも、
私が描きたい光と言うものが分かりやすいかもしれません。
ただ、絵描きは皆、心の中に宿った光を、
各々の表現手段で追い求めているのだと思います。
日々キャンバスの中に光を追い求めるのですが、
筆を握ることに煮詰まることもあり、
そんな時は本物の秋の光を求めて散歩します。
11月の南ヨーロッパの木々は、
新緑の美しさとはまた違い、趣があってうっとりします。
今は紅葉の葉たちが公園を黄金色に染め上げています。
ヘッドフォンでBruno Majorを聞きながら、
雨上がりの公園を歩き、落ち葉を踏んだときの匂いが私は好きです。
また、葉の隙間から差し込む光を感じると、
まるで光にも匂いが在るのではないかという気持ちになります。
すぐにでも山の中に入ってキャンプでもしたい気分ですが、
今はマドリードから出ることは許されていないので、
それは我慢です。
表紙の絵は熊本の阿蘇です。初冬の夕日です。
広大でとても美しかったという記憶があります。
あの時は切ない冬の匂いがしました。
さて、もうすぐ25日(水)から大丸神戸店での個展が始まります。
本来ならば、皆様のお顔を拝見しながら、
神戸の美味しいご飯を食べるつもりで準備しておりましたのに、
今回は帰国できず、とても残念です。
皆様に余計なご心配や、ご迷惑をおかけしないよう、
今回だけは会いたい気持ちはぐっと堪えて、
次回の再会という大ぉきな楽しみに繋げたいと思っています。
その分、絵だけでも!と思い、新作を日本に送りましたので、
ご都合がつきましたら、是非会場にお立ち寄り頂き、
ご高覧下さいましたらとても嬉しく、光栄です。
表紙の絵も出品しています。
次回の再会を心から楽しみにしております。
皆様、くれぐれもお身をご自愛下さい!!
神津 善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2020/6/12