皆様のお陰で伊勢丹での個展も無事に終了し、
家族3人、マドリードに戻ってきた。
1ヵ月ぶりのマドリードは随分と春らしくなっていて、
アーモンドの花が咲く公園を歩けば、
うす桃色の花びら越しの日差しが気持ちよい。
ただ、今回は一休みする間もなく数枚の絵を制作して、
またとんぼ返りで4月15日から福岡三越の個展が始まる。
2度目の展示となる福岡での個展には、
ここ12年分の作品を出品しようと考えている。
私はずっと「光、空気感、視界の切り取り方」に、
こだわって描いてきているが、
その中でも12年という月日の中では
少しずつ絵も変わってきた。
もちろん描けない時期や、制作した枚数が少なくて、
作品が残っていない年もあるので、
各年の作品を展示できるわけではないが、
その12年分の絵を見て頂ければ、
経歴を字で読んで頂くよりは、
私の歩んできた路を知って頂けると思う。
この12年の中では子供も出来たり、目の手術をしたり、
何かしら絵に影響がある事も起きた。
福岡の皆様に私の12年がどう映るか、
楽しみでもあり、すこし緊張もしている。
今回は息子をマドリードに置いて一人で帰国するのだが、
寂しさもあり、心配もありながら、息子と話をした。
「お父さんは仕事で日本に行くけど、
ちゃんとお母さんと二人でお留守番して待っててな!」
すると、もうすぐ3歳になる息子は「俺にまかしとけ!」と、
だれも教えていない言葉を返し、妙に張り切っていた。
神津善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2014/2/4