タイトル:秘密の花園no.12
あっと言う間にもう6月だ。
散歩コースの近所のバラ園も、今まさに満開である。
やはりスペインはこの季節が一番美しいと思う。
そんなわけでで神津家の場合、この5、6,7月に旅行が増える。
旅行と言っても家族サービスなんかではなく
絵の題材を求める取材旅行と言う方が正しい。
先月末は家族でアンダルシアに行ってきた。
コルドバ、カディス、サンルーカル、セビージャと
南スペインの西側を回った。
どの旅行もほぼ毎日予定を立てず、
気に入ればそこに長く滞在し、気に入らなければ通り過ぎ、
早朝と夕方はスケッチや写真撮影のために時間を費やし、
日が高いお昼時だけ子供と遊ぶというタイムスケジュールで過ごす。
来週は久しぶりにマヨルカ島に行く予定である。
私にとっては故郷みたいなところなのだが、
息子にとっては初めてのマヨルカだ。
絵の取材が一番の目的なので、
車を持っている向こうの絵描き仲間には、
早朝スケッチの同伴を頼んでいるが、
絵描き以外にも親戚みたいな仲間が沢山いるので、
彼らと息子の初顔合わせをさせる事も目的の一つだ。
スペイン人(イタリア人やギニア人やアルゼンチン人もいるが)は
みな人懐っこいので、初めて息子と会えることを
ずっと心待ちにしてくれていて、
何週間も前から「いつ来るんだ?」「何日居るんだ?」
「うちに泊まるか?」「車で迎えに行くぞ!」
「この日とこの日はパーティーを企画してるんだが...」
と何度も電話がかかってくる。
非常に有り難いが正直少しめんどくさい。
人にあまり知られていない綺麗な砂浜に連れてってくれる日、
息子を馬に乗せる会、息子を船に乗せる会、
バーベキューパーティー、昔の絵の仲間との食事会などなど...
さすがに、3歳の息子のためのウェルカムクラブパーティーは
夜9時からなので断った。
私の仲間は基本みな口ばかりの奴らなので、
何が実現されるのか私には見当つかないが、
短い滞在中の予定は既にほぼ埋まっている。
どうも今回の旅行に限っては、
結局スケッチしないままマドリードに戻ってくるような気がして、
ストイックさに欠ける私にとっては危険な予感がする!!!
神津善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2014/2/4