EL CIELO DE SALAMANCA : サラマンカの空(虚と実)
162x162cm
うすぐ私は帰国なのだが、相変わらず帰国前は忙しい。
バタバタ、イライラ、キーキーしているので、
嫁からは「穏やかな絵を描いてる人にはとても見えないねぇー」
と嫌みを言われている。今月末に開催する神戸大丸での個展の絵も、
やっとこさ、仕上げの段階まできたが、
幾つかの絵の仕上げは日本で描き上げる事になりそうだ。
レッドブルを飲んで、寝ないで描いていたが、
数枚の絵は最後まで終われなかった。

ぜひ皆様には、神戸大丸の個展で、
どの絵が最後まで描いていた絵なのかを当ててもらいたいものだ。

今日の表紙の絵は、
神戸大丸には出品しないのだが、
つい最近描き上がった、スペイン最古の大学街、サラマンカの絵だ。
空の面積を大きく描くシリーズなのだが、
今回は川に浮かぶ街の反射と奥にある実際の街という構図で、
上下を対称の形にした。

絵にした地点で対象物はすでに全てが「虚」である。
3次元が2次元になるのだから。
では実際の川に反射する像も虚になるのだから、
それを絵にしたら、裏の裏で、
川に映った虚像の絵は「実」になるのか?
もしくは虚のままか。さてどうなのだろう?

まるで、高校数学の時間に習った命題の問題のようだ。
命題の逆の対偶が裏になって・・・みたいに頭がこんがらがってくる。

スペインには「智を求めるならばサラマンカへ行け」という格言がある。
私は食とワインを求めてサラマンカに行ったのだが、
その結果、絵が出来上がった。
絵の中に智は無いが、私の血は入っている。

はぁー、どうも寝不足の頭で文章を書くと変な事ばかりをつぶやいてしまう。

日本行きの飛行機の中は、「死んでるのか?!」と思われるくらいに寝て行こう。

日本の皆様、Hasta Pronto !!

神津善之介 拝

ギャラリー>新作 更新しました 2017/9/2