タイトル:イエスと12使徒
*ちなみに並び順は左から、バルトロマイ、小ヤコブ、アンデレ、ユダ、ペトロ、ヨハネ、イエス(後ろに百合の花)、トマス、大ヤコブ、フィリポ、マタイ、タダイ、シモンです。
事にマヨルカ島、バルデモッサ村での個展が終わりました!
まぁ、無事とは言っても、マヨルカは記録的な大雨でして、
通常はイギリス人、ドイツ人、フランス人でごった返す修道院ですが、
いつもの凄い入場者数とはちがい、静かな個展となりました。それでも雨の中、思った以上に多くの人々が観に来てくれました。
こんな小さな島に日本から来た観光の方もいて驚きました。
来てくれた人々と話しをすると、
観光客は勿論ですが、わざわざ私の絵を観に来てくれた方も多くて、
とても嬉しかったです。
また、私がいたリャドの絵画学校の先輩達の中には、
今では絵を教えている人たちもいて、
その彼らの教え子達が、先生の勧めで豪雨の中、観に来てくれました。
持つべきものは良き先輩ですね。

先輩達の中には絵をやめてしまった人たちも少なからずいました。
25年前に絵を習っていた当時、
自分なんかではとても描けないような素晴らしい絵を
描いていた先輩たちが絵をやめていて、
そんな中で私は、今も絵を描いて生きていけている自分の幸せと、
その分の責任を深く胸に刻みました。

この島の具象の絵描きは太い筆でスピーディーに荒く描く人が多く、
リャドに習い、同じようにスピーディーに描くスタイルだった私ですが、
今の私はもう少し写実傾向になっていて、
そういう絵描きはここには少ないらしく、
皆にとって私の絵はとても新鮮に映ったようです。

地元のラジオ局も取材に来てくれたのですが、
片言しか話せない私が言葉だけで絵を説明するのですから、
それはもう地獄のような時間でした。
ラジオを聞いた旧友たち皆に笑われました。

また雨のお陰で、
すこし暇そうな修道院の関係者と話をする機会も多く、
いろいろと勉強になるようなお話も聞けました。
彼らは上に載せている「イエスと12使徒」というカラーの絵を
とても気に入ってくれました。

そして、雨の影響がもう一つあり、
教会に住みついている黒猫が絵を展示している礼拝堂に、
雨宿りのために入ってきて、
私の昼飯用のツナが入ったパンを食べてしまうので、
私は昼抜きになってしまう日もありました。

この度の個展は、自分の25年分の集大成でもありましたが、
まるで久しぶりの実家に帰ったような、
懐かしくて、少し切なくて、とても楽しい個展でした。

オープニングパーティーに向けて、
日本からわざわざ来て下さった皆様、そしてお花を送って下さった方々に、
心より愛と深い感謝の念を込めて、御礼申し上げます。

神津善之介 拝

ギャラリー>新作 更新しました 2017/10/11