私も家族も皆、春の気配がするマドリードで元気に暮らしております。少し前までの私は、かなりの引きこもりで、絵を描く事だけを考えて生きていました。
変な話し、良い絵を描いてさえ居れば、いつか人が私を見つけてくれると思っていました。
けれど、大使館での大きな個展が決まった一昨年前からは、絵を描くこと以外は、自分一人の力では何も出来ないのだと痛感し、そこからは色々な人との出会いの大切さを前よりも深く胸に刻んで生きています。
私の絵を見て下さる方々、また絵を求めて下さる方々、私の考えや思いに力を貸して下さる方々に、改めて心より御礼申し上げます。
まだまだ勉強が足りない私ですが、昨年、今年は星の回りが良いのか、昨年の大使館での個展から続いて、いろいろな所からお声がけを頂き、有り難い事に忙しくやっております。
また、先月開催した福島のギャラリーいわきでの個展もとても良い経験になりました。
通常は百貨店での個展が主な私ですが、今回の場所がギャラリーと言う事、またスペイン人とでなく日本人とのグループ展と言う事で、いつもと少し違う画廊での過ごし方、お客さんとの接し方を経験させて頂きました。
ギャラリストの藤田忠平さん、彫刻家の湯川隆さん、画家の毛利元郎さん、この3人と過ごした時間は私にとってとても濃密で、画家としての生き方を改めて考えさせられた有意義な時間でした。
なかなか恥ずかしくて人の前では、絵に対する想いなどはお話しする事がない私ですが、この会期中は御三人方に私の若造としての想いを聞いて頂き、先達からの熱き良きアドバイスを頂きました。
絵を描く時、私は自分の想いを文章ではなく、
色や筆跡というものでキャンバスに塗り混みます。
でもそれをなかなか口に出す事はしません。
しかし、今回はその想いを口に出せ、そしてそれを受け入れて下さった3人の優しさが、私にはとても嬉しかったです。
この度は良い経験をしてまたマドリードに戻って参りました。
今はまたマドリードのアトリエで新しい絵に向かっております。
次に日本に帰りますのは6月末の神戸大丸です。
その日まで精一杯良い絵が描けるような意識を持って絵に向かいます。
とはいえ、しばらくすると、このような清々しい気持ちは何処へやらで、いつも通り息子や嫁への愚痴を、このページに書き上げるようになるとは思いますが・・・。
ではでは、また近々ページを更新できますように!!
神津善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2017/9/2