Retrato de Uno-hp
タイトル:Portrait 2015 no.1 (Unosuke)
サイズ:50×50cm
月の日本は随分と夏っぽいらしいですね。
マドリードは気温が34度だったり20度だったり変な天気が続いています。

先日マドリードで行われたホルヘとの作品発表会も無事に開催することができました。
上の絵がそれに出品した肖像画のシリーズです。ちなみにこれは息子です。
今は6月末に開催される倉敷の初めての会場での個展に向けて制作活動中です。

先月の半ば、その二人展の初日が終わった途端に今度は息子の4歳の誕生日がありました。
けれど3歳のとき同様に息子は2年連続で誕生日当日に41度の熱を出し、
寝込んでしまったので、誕生会は少し遅らせて開きました。

こっちはカトリック(子煩悩国スペイン)だからか、わりと盛大に子供の誕生日を祝うので、
面倒くさがり屋の私とて逃げ場はなく裏方として随分とこき使われました。
15人程の息子の友達らを(新しい幼稚園の友達も)呼んで、今年は海賊をテーマにしました。
今年も誕生会にお金がかからないように嫁がほぼ全て手作りで準備して公園で開きました。
私もホルヘとの二人展に出す絵が描き終わると同時に、
ポップコーンを入れる箱を黒く塗り、それに海賊のドクロマークを描かされたりしました。

そしてその日に集まってくれた息子の友達のお父さんたちとも交流を持ったのですが、
お恥ずかしながら、23年も住んでて私は本当にスペイン語が話せない、酷いレベルなのです。
それこそ、もうすぐ息子の語学力の方が私を追い越すのではないかと言うくらいなのです。
と言う訳で、そこで初めて知り合うお父さんたちと話すときは、
「まぁ僕たちもスペインに暮らしてまだ5,6年なんですけれどもね」とついつい嘯いて、
皆に「たった5年でそんなに話せるんだから大したもんですよ!」なんて褒められていました。
そんな私に向け、離れた場所から嫁がもの凄ぉく冷たい視線を送り続けたのは言うまでもないです。

その日は実にハードでして、家と公園が近いのが唯一の救いで、
ビールやジュース、ケーキやらを運ぶために、家と公園を何往復もさせられました。
座を離れる時にはお父さん達に「ウチの上司(嫁)がめちゃめちゃうるさいヤツでしてね。
また命令されちゃったので、ちょっと家まで行ってきますわっ!」
と冗談を言って席を立っていたのですが、
後日ママ友(お母さんたちの会)の集まりで、嫁が誕生会に来たママ友から
「あなたの旦那さんの上司って凄い怖い人なんでしょ?
日本の会社って大変なのね!ウチの旦那がそう言ってたわ。」
と言われたらしく、「いったい、どういうことだ?!」と聞かれました。
私は口ごもりながらも「なんだろ?きっと何か誤解したんじゃない。」と言いましたが、
未だに冗談も上手く言えない自分のスペイン語能力の低さに随分と落ち込みました。

神津善之介 拝

ギャラリー>新作 更新しました 2015/5/22