新しい1年が始まりました。
スペインは日本よりも8時間遅れていますので、
先ほど、スペインは新しい年を迎えました。
日本は新しい年の最初の朝がきているころでしょう。
こちらはまだ深夜ですが、やっと子供が寝静まった今、アトリエの窓を開け、外の冷え
きった空気を吸い込み、ぼーっと今年最初に描く絵のことを考えながら、熱い緑茶を飲
んでいます。
ここでは初詣にも行けませんし、お屠蘇も飲めませんが、我が家はお雑煮だけは食べる
つもりで、妻が用意してくれています。
昨年は不安や悲しみの多い年でした。
その中で私が強く心に刻んだ思いは「光を描こう」と言うものでした。
だから、もっと絵の中に光を追い求め、今よりも、強く優しく暖かな光を描きたいと思
っています。
今年は良い絵を描きたいものです。
ここ数年、空を大きく描くことで、私はその時の自分の感情を表現してきました。
それは今も変わりませんが、このコロナで家に閉じこもる日々を経験し、
新たな発見として得たものは、限られた狭い空間から見える小さな空や光にも私は希望
を感じるようになったということです。
それを表現したのがこの絵です。
描き上がった絵から、その当時の自分の想いに気付かされることもあります。
ですから、私の絵は、実在する風景でもあるのですが、同時に心象風景でもあります。
この絵の場所は冬のベニスです。
狭い運河の隙間から見えた斜陽が水面に映った風景です。
小さな光ですが、少し先にある明るい希望の光です。
冬の朝は光が綺麗です。
寒ければ寒いほどに綺麗です。
皆様にとって、今年が良い年になりますように・・・
そして、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
3月に伊勢丹新宿の個展にて、お会いできることを祈って・・・!
2021年元旦
神津 善之介 拝
*ギャラリー>新作 更新しました 2020/6/12